皆さんは、何かの匂いを嗅いで、思い出すことありますか?
私はよく、ニオイとともに思い出すことがあります。
あるときは、おばあちゃんの匂い袋の香。
思い出すのは、小さい頃の思い出。小さな私が着物を着た祖母にまとわりついて、膝の上に居る。
綺麗に整理整頓されて、匂い袋の匂いのような着物の匂いのような匂いに包まれた和室で、温かな
ぬくもりと懐かしさ満載の祖母の部屋。
何が出てくるのか不思議だった、色んな思い出の品が詰まった和ダンスは、歴史を感じる年代物で、値が張りそうな桐のタンスで、祖母の名前からとった花が刻まれた取っ手がついていて、小さな私のお気に入りだった。
いつも以後ごちが良くて、そこ入れば安全で何の心配もない、穏やかで幸せな世界。
例えば、夏の匂い。
それは、ギラギラと降り注ぐ真昼の太陽の下、ミンミンと力の限り泣き続けるセミの声とともに
太陽の熱を受けた木々の葉の、緑の匂いというようのだろうか。
あの夏の匂いがしてくると、目の前が夏の日差しで眩しくなるようだ。
一番夏を謳歌していた小学生の頃の、毎日が楽しくて新鮮で、一年中夏であればいいのにと願ってやまない程夏を愛していた、そして山に海に遊びまわっていた頃を思い出す。
たとえば、冬の、しんしんと厳しい寒さの空気のにおい。
ストーブの上で温められているやかんの蒸気と、温められた部屋の中で
こたつの中でうたた寝しているあの寒い日のこと。
テレビからは正月番組が流れ、父母と祖母と、集まった親戚がこたつを囲んで何か話している。
その声をBGM代わりに半ば夢の中にいる私に、祖母がどてらをかけてくれた時の、祖母の匂いと
どてらについた押し入れの匂い。
懐かしくて、懐かしくて、そのよすがを探してしまうほど、もう一度戻りたいと思う、あの頃の日を思う。お腹がきゅーっと締め付けられるけど、思わずにはいられない。
ニオイとともに蘇る、数々の楽しい幸せな思い出たち。
同じ匂いを嗅ぐたびに思い出す、あの時の優しくて愛しい日々が蘇る。
もう二度と戻る事のない日々だけど、思い出はいつも、目をつぶればそこにある。
これからもずっと、色褪せずに咲き続ける思い出の花。
匂いとともに、音も記憶を呼び覚ますものでもありますね。
音楽であったり、、、
そう、匂いや音、音楽は 過去の記憶の①ページに、同時に刷り込まれているから。
その時と同じ匂いを嗅いで同じ音を聞く時、思い出すんですよね。
それで、悲しくなったり幸せになったりする。
感情に繋がるスイッチが、どこにあるかってことなんでしょうね。
思い出と、夢はどこかで繋がっているのではないかと思う事があります。
何か、昔の記憶をたどって 懐かしい思い出に浸る時
夢を見ているのと同じような感じになるからです。
脳の奥、で呼び覚まされる記憶の世界。
夢を見る時も、同じような感じ。
どこかで繋がってたら、夢の中で思い出の、過去の記憶に戻れる「かも」しれないですね。
人類の叡知がどんどん進化していって、そのうち夢の世界も操作できるようになれば
思い出を夢の中で体験できるかもしれないなあ、、なんて妄想をしています。
まあ、いまはまだ「夢物語」ですけどね(^^)